無人契約機の向こう側
キャッシングといえば、街では「無人契約機」を見かけることがよくあります。しかし、「無人契約機」とは、いったいどんな仕組みで運営されているのでしょうか? 果たして本当に無人なのでしょうか? 審査はどこでどのように行われているのでしょうか? ここでは、そんな無人契約機の疑問について解説します。

無人契約機とは何か?
無人契約機が世に出た当時では各社「むじん君」「いらっしゃいまし〜ん」「お自動さん」「¥むすび」といった親しみやすいネーミングを付け、TVコマーシャルで盛んに宣伝していましたが、ここ数年で「無人契約機」あるいは「自動契約機」といった名称に落ち着き、TVコマーシャルでもそれほど宣伝されなくなりました。
 無人契約機とは、具体的には、たたみ三畳分くらいの隔離された空間に下写真のような機械が設置され、モニタの指示に従って手続きを30分程度進めてゆくことで、最終的に審査・契約が修了しキャッシングカードを自動発行できる、という仕組みのものです。
 無人契約機の最大のメリットというと、「誰にも会わずに契約ができる」という点です。キャッシングへの申込を検討しているユーザの「根掘り葉掘り尋問されるんだろうな、いやだな」とか「お金借りてるところ、誰にも見られたくないなあ」という心理的なハードルを、機械を通し人の顔を見ずに手続きを済ませることで取り除く事ができるのです。

無人といってもバッチリ見られている
 この無人契約機の設置されたスペースには、実は、あなたを監視するカメラが数カ所に設置してあります。このカメラによってあなたの挙動や服装はしっかりと観察されます。また、身分証明書の偽造チェック、運転免許証との顔写真照合、写真撮影も密かに行われているのです。
 申し込む側からすれば、誰にも会わずに済むという安堵感・気軽さをもってキャッシングを利用でき、また業者側からすれば、店頭での申込受付よりも確実に審査を行える、という、両者にとってメリットのある契約方法、それがこの無人契約機です。
 この無人契約機の第一号は1993年にアコムが新宿と博多に各1台づつテスト配置をしたのがはじまりです。1995年にはテレビCMによる全国展開が開始され、大手・準大手・中堅のキャッシングがこぞって無人契約機を導入します。そして、1997〜1999年に全盛を迎えました。
 今ではインターネットや携帯電話から申込みをして審査を一通り終わらせ、最寄の無人契約機でキャッシングカードを受取りに行くという使われ方が主流になりつつあります。


審査は誰がどこで行っているのか?
 無人契約機を導入しているキャッシング業者では各社、地域ごとに集中管理センターを設け、オペレーター兼審査担当員を配置し決められたエリア内の申込み審査業務を一括して行っているのです。
 イメージとしては、大きなコールセンターにインカムマイクをつけたオペレータが大勢いて、電話帳の確認・住宅地図の確認・在籍確認・在宅確認を行っている、というものです。
 全盛期だった1997年当時、中堅のキャッシング業者では予算上、集中管理センターを設けることができないケースが多く、店舗の横に設置して店舗にいる社員が審査業務を行っていたということがありました。そして在籍確認や在宅確認が充分に取れなかったときなどは店舗社員が無人契約機のところまで来て対面で会話するなど、「どこが無人なんだ?」 などということも多々あったようです。
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